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那覇家庭裁判所 昭和48年(家)525号 審判

申立人 山本晃(仮名)

事件本人 山本高子(仮名) 昭四四・一二・一生

主文

熊本県熊本市○○△丁目△△番地筆頭者山本晃の戸籍中長女高子の養子縁組に関する記載事項は、すべてこれを抹消することを許可する。

理由

1  申立人は主文同旨の審判を求め、その理由として事件本人山本高子は、戸籍上申立人の妻春子の連れ子であつて、申立人の養子になり入籍されたようになつているが事実は申立人の実子であるので申立人はその後、認知の手続をとり嫡出の身分を取得させたものであるから、事件本人に関する養子縁組の記載事項を抹消されるべきものであると言うにある。

2  そこで当家庭裁判所調査官の調査報告書および申立人の戸籍謄本、申立人の妻春子の除籍謄本を総合すると、事件本人は申立人が妻春子との間で婚姻前情交関係を結んだ結果非嫡出子として生れた子であることが認められ、かつ申立人はその後春子と婚姻するに当つて手続上の無知から事件本人を養子として縁組手続をとつたのであるが、後になつて認知の手続をとるに及び事件本人は嫡出の身分を取得する結果となつたことが認められる。

3  よつて上記養子縁組は申立人の認知によつて終了することとなるので当然戸籍上の養親子関係は抹消されるべきものであると認め、主文のとおり戸籍の訂正を許可することとする。

(家事審判官 徳嶺浩正)

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